ラン・ランからゴルトベルク変奏曲の解釈を聞く〜ほとんどマスタークラス!

ランランインタビュー表紙 -ラン・ラン

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表紙写真:Olaf Heine

↓ゴルトベルク変奏曲演奏リンクまとめ

ランランのアルバム「ゴルトベルク変奏曲」、どのバージョン買うのか迷った末に無事購入&聴いてるところだけど、ライブ演奏の録音とスタジオ録音の演奏がすごく違くて!本人もスタジオ録音は「解釈に磨きをかけた」「より深い演奏になっているので気に入っている」と言ってるから、どんな解釈したのか気になってた!

ラン・ランの解釈と演奏を聞く

ランランのYouTubeページにある動画「Lang Lang presents Bach’s Goldberg Variations – A Personal Introduction from Beijing」

前の記事でも紹介したけど、この動画で曲の解説と解釈をしながら演奏もしてくれてて、ほとんどマスタークラス楽しいし、大変為になるので、聞き手のMs. Tian Weiとランランの会話をまとめてみました。

Ms. Wei:この600年の歴史があるお寺で、ランラン自身がアルバム「ゴルトベルク変奏曲」から選んだ数曲を演奏しながら録音について話してくれます

アリア ラン・ランにとってゴルトベルクとは

演奏:動画の1分45秒頃から

Ms. Wei : とても温かく、穏やかなアリアでした。このゴルトベルクはあなたにとって何故そんなに特別なのでしょうか。

ランラン:「この曲を弾くことは生涯のプロセスです。グレン・グールドの1981年の録音を聴いて10歳でこの曲を弾き始めました。ビデオカセットで見たと思うけれど、アーティキュレーションと装飾音の解釈にとても驚きました。と同時にこの音楽で表現したコントラストや強弱にも驚いた。感情やルバートにも。非常に圧倒され、いつか自分もこれをやってみたいと思いました」

Ms. Wei : 「それが今、ですね」

ランラン:「27年も練習した後に、ですけどね」

Ms. Wei : 「今のアリアの演奏でどのような雰囲気を提示しようとしているのでしょう」

ランラン:「アリアはシンプルです。バッハが親しい友人を心地良い眠りに誘う為に作った曲なので、ムードはとても静か。そしてGメージャーです。Gメージャーはいつも温かく美しい色を作ってくれます。でも、同時に完全に一人の時間を表現する為にとても孤独なかんじに演奏されるべきです。曲の冒頭から、とても穏やかでなければなりません」

ランランゴルトベルク解釈2
Lang Lang presents Bach’s Goldberg Variations – A Personal Introduction from Beijing

第13変奏

演奏:動画の10分40秒頃から

Ms. Wei : 次はどの曲ですか

ランラン:「次もスローテンポが美しい曲で、第13変奏です。バロック時代の人の声のようでとても叙情的なパッセージです。そしてバロック時代の芸術的な装飾音も、是非皆さんとシェアしたいと思います」

ゴルトベルクが大切な理由は?

Ms. Wei : ゴルトベルク変奏曲の事を人は(その難しさから)エベレストと言いますが、ずいぶん時間をかけて登ってきましたね。

ランラン:「まだ登っている最中ですけど」

Ms. Wei :あなたにとって何がそんなに重要なのでしょうか

ランラン:「この作品は30の変奏曲が有りますが、それは30の違ったキャラクターを提示しているという事です」「9つのカノンから成っていますが、それぞれのカノンの間には美しいダンス音楽やジーグ、メヌエット、サラバンド、メリーさんのひつじのようなタイプのララバイ、クーラントなども入っています」

Ms. Wei : ということは、これはほとんど全ての音楽の集まりという事ですか?

ランラン:「バッハが ”鍵盤楽器で自分はこんなにできる” というところを見せているのでしょう。バッハには限界がありません」

Ms. Wei : それを成し遂げる事ができましたね。次はどの曲でしょうか

第20変奏

演奏:動画の19分頃から

「第20変奏を演奏したいと思います」「第20変奏はこの曲が元々書かれた時代の楽器、チェンバロのように聞こえます。そして少しハープのようにも聞こえます。。手が交差すると同時に歌も交差します」

Ms. Wei : とても楽しい音楽ですね!

ランラン:「ピチカートのような感じも出そうとしました。とても古い時代の音です」

スタジオとライブの2つの録音について

Ms. Wei : スタジオと、バッハがかつて働いていた場所でのライブ公演、2つの場所での録音をしていましたね 

ランラン:「最初はライブ公演の(アルバムへの)収録は計画していませんでした。この種の作品はとても正確でなければならないので、ライブはあまりに挑戦が過ぎると思いました。ベルリンのスタジオで5日間続けて録音する計画をしました。最初の編集の後、バッハが38歳から人生の最後まで働いていた聖トーマス教会での演奏録音を聞いてみようと思いました。実際に聴くと、本物のバッハとスピリチュアルな繋がりが出来て古いレコード盤のような音がしたんです。そんな感覚になったので、これは両方必要だ、という気持ちになりました」

Ms. Wei : 教会のあの特別な場所でひざまずいている姿を見ましたが。。

「すぐそこにあるバッハのお墓にキスしそうでした。あの時の感覚はとても特別で、小さな頃からインベンションの2声、3声、イギリス組曲、パルティータ、フランス組曲、平均律クラヴィーア曲集、ゴルトベルク変奏曲、などバッハの曲で育って来たのを思い出しました。そして彼の横で演奏している時に、とても感情的になったのです」

Stefan Hoederath

第26変奏

演奏:動画の24分頃から

Ms. Wei : この旅の続きを聴きたいのですが

ランラン:「バッハの違う一面、音楽の巨匠としてのバッハの一面が見られる第26変奏を演奏します。彼は演奏のテクニックでも非常に優れていたのです」

Ms. Wei : 楽しくてすごくエネルギーを感じました。

ランラン:「これは難しい曲ですね」

ファンからの質問

Ms. Wei : 「この機会に(ランランに)直接聞いてほしいと、ファンの皆さんからの質問がたくさんきています」

質問:この素晴らしい作品を解釈するにあたり、どのアーティストやピアニスト、先生、指揮者からもっとも影響を受けましたか 

ランラン:「マエストロ ニコラウス・アーノンクール、アンドレアス・シュタイアー、エッシェンバッハ、バレンボイムです」

質問:コンサート前のウォームアップで弾く曲は 

ランラン:「ゴルトベルクからのいくつかのパッセージはウォームアップに最適だと思います。とてもバランスが良い」

質問:アルバム「ゴルトベルク変奏曲」で何故スタジオとライブ、2種類の録音を採用したのですか。また、どのような違いを聴くことができますか 

ランラン:「聖トーマス教会はとてもユニークな場所でバッハそのものです。その場所であの日はとても集中して演奏することができました。いくつかの解釈は自然に生まれて来たのです。それはスタジオで繰り返すのは難しい直感のようなものです。スタジオでは自分の好きな音を作る事ができるし、実際そうしました。ライブとは違うタイプの音とキャラクターを作ろうとしたのです。例えばもっと乾いた音や遠くの音を表現したり。でもライブのようには出来ない事もある。だから両方が必要だと思ったのです。両方聴く事で、この曲を分析する時に違うタイプの考え方を提供できるのではと思いました」

質問:一番好きな変奏曲はどれですか

 「一番好きで、一番難しいのは第25変奏です。最も深くて暗く、パッシブな曲です。とくに最後のパートでGの単音で終わるまではキーボード・リテラチャーの中でもっともパワフルな音楽だと思います。もがき、闇、感情が下がっていく様、このパッシブな動きがとてもパワフルだと思います」

質問:最初のアリアを弾く時のイメージは?私の中では穏やかで静かなイメージ(peaceful& calm)ですが、同じ意見ですか? 

「その通りだと思います。そしてloneliness 孤独と longingness あこがれの2つを付け加えます」

第30変奏

演奏:動画の31分30秒頃から

Ms. Wei :今日ここまで、素晴らしい旅をしてきましたが、これを見ている皆さんに伝えたい事は何ですか

ランラン:「今はみんなが大変な時期です。世界中でライブコンサートは出来ないし、最近は海外にも行けない。我々にとって一番大切なのはステージです。その時、その場所で顔を合わせて行うライブパフォーマンスなのです。今から第30変奏を演奏しますが、バッハの家族の再会がテーマなのでとても意味のある作品だと思います。3つのメロディーが出てきて、家族が一緒に過ごすのが素晴らしいという事やお母さんのキャベツスープについて話しています」

「早くみなさんと実際に会ってライブで演奏できるのを願っています。それでは再会のスープを味わいましょう」

まとめ

ゴルトベルク変奏曲についてのランランのインタビューはあちこちで記事になってるけど、やっぱりランラン本人の口から聞きたい!って思ってました。

この動画で「ライブ録音とスタジオ録音の違い」「各バリエーションの解説や解釈」など話してくれたし「グールドの演奏を聞いた時の感想」も興味深かった〜!そしてピアノのテクニックがやっぱり圧倒的!!!

全部聴くのが長くて時間が無い時は、ランランが「一番好き」と言ってた第25変奏や「テクニックがとても難しい」と言ってた第26変奏あたりから最後まで聴くだけで、すごい技術やいろいろなメロディー、ストーリーが聞こえてきてとっても楽しい!

↓ってことでまた、ライブとスタジオの両方を聴いてみよう〜!

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