9月29日金曜日、香港は中秋節。街は人でいっぱい!そんな中、ベンジャミン・グローヴナーさんのリサイタルに行ってきました。
香港はクラシックコンサートの会場に日頃から老若男女皆さんいらっしゃいますが、中秋節からの国慶節で連休に突入ということもあってか家族連れやカップル(若い方から中年、熟年色々)どうしなど、誘い合わせてイベントの一つとして来ている人たちも多い雰囲気。音楽が身近で誰でもすぐに足を運べる環境が良いな〜といつも感じてます!
ベンジャミン・グローヴナー
グローヴナーさんは1992年、イギリス生まれのピアニスト。2015年にも香港に来てリサイタルをしてくれた彼ですが私は今回が始めて。
プロフィール
ベンジャミン・グローヴナー Benjamin Grosvenor
高度なヴィルトゥオジティ、深い楽曲理解による目覚ましい演奏によって国際的な注目を集めている。近来の英国では最も重要なピアニストであり、欧米ではスター・ピアニストとしての地位を確立している。英国内の主要オーケストラはもとより、シャイー、ナガノ、ロト、サロネン、スラットキン、エメリャニチェフら著名な指揮者のもと、ボストン響、シカゴ響、フランス国立管などと共演。リサイタルもロンドンのウィグモアホール、パリのシャンゼリゼ劇場、ニューヨークのカーネギーホールなどで定期的に行っているほか、ワルシャワの「ショパンとそのヨーロッパ」音楽祭などにも出演。室内楽にも熱心で、T.ツィンマーマン、リダウトらと定期的に共演している。2020/21年シーズンにはラジオ・フランスでのアーティスト・イン・レジデンスを務めた。録音では2011年にデッカ・クラシックスと契約、英国の音楽家としては史上最年少、英国のピアニストとしては約60年ぶりの契約となった。ショパンのピアノ協奏曲を収録したアルバムはグラモフォン賞とディアパゾン金賞を受賞。リストのソナタを中心とした最新アルバムはラジオ・フランスのショク賞を受賞するなど絶賛されている。
コンサートホールATM:庄司紗矢香(ヴァイオリン )& ベンジャミン・グローヴナー(ピアノ)&モディリアーニ弦楽四重奏団
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Musician Clippy:ベンジャミン・グローヴナー Benjamin Grosvenor
会場 香港シティホール
会場はシティホール。
縦長でどこで聴いても良く聞こえる会場ですが、今日は初めてバルコニー席。少し見下ろしただけでもピアノがよく見え手元も良く見え‥いかにも音がそのまま上がってきそう、と思っていたら。。これが本当にとってもよく聞こえる〜〜‼お値段もリーズナブルだし良いことだらけでした♡
プログラム
本日のプログラムは豪華!こんな感じ。
- ショパン:舟歌 Op.60
- リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調
- リスト:子守歌
- ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 Op.58
アンコール
- ラヴェル:水の戯れ
- ショパン:ノクターン 第20番 嬰ハ短調 遺作
- ベートーヴェン:月光
- 4曲目は分かりませんでした。。すみません
演奏メモ
プログラムを見たら、どれもこれも何度でも聴きたい曲ばかり〜♡
最初に舟歌が始まった時は「もしかして私には少し甘い雰囲気足りないかも。。」なんて思ったのですが。。とにかくテクニックが素晴らしくて音が美しい。音の響きを重ねて表現していくかんじが、辻井伸行さんの演奏を思い出しました。音がクリアでクリーンなところも辻井さんの音色が浮かんできて、そんな真っ直ぐな音だから甘々ではなくスッキリした印象になるのかも。聴き進めていくうちに素晴らしい音質や音量のコントロールにより作られた、時に力強く時に繊細で美しい彼の音楽にすっかり魅了されてしまいました!一貫して大袈裟に歌うことなく、キリリとした感じが漂う演奏がクセになりそう。そういえば演奏する時にソナタとか弾いてもほとんど体が動かないのが珍しいなって思いました。ランランやキーシン程ではなくても皆んなもう少し動く人が多いと思うけど。でも音量が足りないことも全くないし、ダイナミクスは素晴らしい。体の動きって演奏にどんな影響有るんだろう、と改めて考えてしまいました。
超有名な曲ばかりだけど自分のスタイルが出来ているというか、大人の余裕のようなものも感じられ段々と会場を巻き込んでゆく雰囲気作りも流石。最後ショパンのソナタでは(私はストーリー展開がすごく気に入ったのだけど♡)フィナーレに入る頃から会場の皆さん物音一つたてずに聴き入ってて、終盤アノ辺から←どの辺??すっかり音楽と一体になって最後一緒に上がって〜〜一緒に下がって〜〜バーンって全員でフィニッシュして拍手喝采。誰もが「中秋節ここに来て良かった〜」と思えるコンサートにしてくれてスゴい!と思いました。アンコールでは「中秋節だからピッタリの曲を。。」と言って月光を演奏してくれました。
最近コンクールで活躍したブルース・リウやユン・チャンのコンサートなど、毎回進化してそう&緊張感漂う演奏を聴く機会が多かったので‥もちろんそれはそれで超楽しいのだけれど。今日はベテランピアニストの演奏が心地良かったです。
と同時にコンクールなどをきっかけに活躍している最近の若手ピアニストの皆さんが5年、10年と経ってグローヴナーさん位の年齢になったときどんな演奏や活動しているのかな〜などと妄想してまたワクワクしちゃいました。
ベンジャミン・グローヴナー 動画リンク
リスト
子守歌
ピアノ・ソナタ ロ短調
ショパン
舟歌
ピアノ・ソナタ 第3番 Op.58
Sonata Op.58 (h-moll/in B minor)
- 22:02 Allegro maestoso
- 31:35 Scherzo. Molto vivace – Trio
- 34:20 Largo
- 43:45 Finale. Presto non tanto
↓ショパンのソナタ3番大好き‼ 記事にグールドのYouTubeを追加しました。あまりにグールドな演奏。まだの方は勇気を出して聴いてみてください〜。そしてリンクが切れていたブレハッチの動画をリプレースしました。
音楽いろいろ
コメント
お時間があったら、このリサイタルにもぜひ。http://www.chopinsocietyhk.org/joy_music_festival_2023/09092023_jomf2023_09oct2023.htm?fbclid=IwAR3_CJpnFm3pUiaiqvkpaFXXYKB5Qfp9H15Q2hjwOFujLpiwTxuehrColhc
お返事遅れてすみません。お読みいただきありがとうございます!
The Chopin Societyのイベントですね!しばらく行ってなかったので、時間ができたら是非足を運んでみたいです。ご紹介ありがとうございます〜♡