まるごと!ハーバードからジュリアード:アリスト・シャムのプロフィール、インタビュー、クライバーン、演奏リンクなど

アリスト・シャム クライバーン -音楽・ピアノ
SCMP

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表紙写真:SCMP

クライバーンコンクールで優勝した香港出身のアリスト・シャム。演奏がどれも素晴らしくてずっと動画を見る日々を過ごしてます〜。香港ではニュースもたくさん出ているので、プロフィールやインタビューなどをまとめました!

アリスト・シャム プロフィール

アリスト・シャム
クライバーン優勝
SCMP

Aristo Sham|The CliburnAristo Sham| WikipediaAristo Sham| HPよりまとめます

  • 名前:Aristo Sham 沈靖韜
  • 生年月日:1996年3月12日生(29歳)
  • 出身:香港

3歳でピアノレッスン開始。10歳でコンクールやコンサートに出場を始める。母親はピアノ教師でアリストは「生まれる前からピアノの環境に包まれていた」と言っているけれど、ピアノ又は別の勉強どれか一つの道には決めずに(音大ではない)普通の学校に通っていた。大学ではデュアルディグリープログラムで

  • 2019年:ハーバード大学で経済学の学士号取得
  • 2020年:ニューイングランド音楽院のピアノ演奏の修士号を取得 ヴィクター・ローゼンバウムに師事
  • その後スウェーデンのインゲスンド音楽院に留学、ユリア・ムストネン=ダールクヴィストに師事
  • その後アメリカに戻りジュリアード音楽院でアーティスト・ディプロマを取得 ロバート・マクドナルドとオルリ・シャハムに師事「コロナ期の後、キャリアを再スタートするために2023年にジュリアードで勉強すると決めた」bySCMP

他、エレノア・ウォン、コリン・ストーン、ガブリエラ・モンテロにも指導を受けた

11歳で香港フィルと共演。イギリスのチャールズ3世や、ベルギーのマティルド王妃、中国の胡錦濤(フー・ジンタオ)前国家主席など王族や高官の為に演奏したことがある。2009 年には英国のチャンネル4で放送されたドキュメンタリー「世界で最も素晴らしい音楽神童」で特集された

趣味は旅行、語学、美食、ワイン醸造など

第17回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝&聴衆賞獲得

クライバーンコンクール
アリストシャム
THE CLIBURN

クライバーンコンクールについて「ぶらあぼ」の記事からアリストの部分を抜粋しました↓

アメリカ・テキサス州のフォートワースで5月21日から開催されていた、第17回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(審査員長:ポール・ルイス)は現地時間6月7日、すべての審査が終了し、直後に行われた授賞式で、アリスト・シャム(香港/中国)の優勝が発表された。香港出身のピアニストが同コンクールで最高位を獲得するのはこれが初めて。2017年のソヌ・イェゴン、2022年のイム・ユンチャン(ともに韓国)に続いて、今回もアジア出身のピアニストがアメリカ最高の登竜門を制することとなった…

シャムは聴衆賞も受賞した。10万ドルの賞金に加え、3年間にわたるコンサートツアーを含むキャリア・マネジメント、Platoon Recordsからのアルバム・リリースなどの副賞が与えられる…

第1位のシャムは、(ファイナルで)メンデルスゾーンの第1番とブラームスの第2番を選択。特に、後者では細やかなルバートを駆使した緩急のもと、重厚さと軽やかさを併せ持った堂々たる演奏を繰り広げ、客席からも大きな拍手と歓声が挙がっていた…

予選とセミファイナルで選択したバッハ作品の編曲ものでの研ぎ澄まされたタッチや、ラフマニノフ「音の絵」作品39での曲ごとに鮮やかに描き分ける起伏に富んだ音楽づくりは印象的だった。クオーターファイナルでは、ベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア」ソナタ1曲で勝負。全ラウンドを通じて、落ち着いて自信に満ちた演奏を繰り広げた。コンクール事務局からのインタビューで「知性と感情は必ずしも対立するものではなく、互いに影響し合っている。それがアーティストを魅力的にしている要素だと思う」と語っていたが、まさにそのことを体現していたように感じられたステージだった。新たなスターの今後の活躍が楽しみだ

ぶらあぼ:第17回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 結果発表 優勝は香港出身のアリスト・シャム

コンクール演奏曲リンクまとめ

ヴァン・クライバーンコンクールの↓演奏YouTubeリンクをまとめました!どれも完成度が高くて何度でも聴いてしまう♡

クライバーン:参加者の楽譜付き動画集

クライバーンが↓こんなふうに楽譜付きの演奏動画を提供してくれてます。参加者の皆さんの134動画リンクはこちら →Cliburn Score & Sound 

弾いてみたい曲の参考になるかも♡

クライバーン:参加者の手元動画集

下の動画は9分50秒頃アリストの演奏からスタートするものですが、この→「LIVE」リンクから全ラウンドの参加者皆さんの手元だけの動画が見れます!色々な曲の指使いやタッチを見たい人は嬉しい〜

アリスト・シャム インタビュー

クライバーンコンクールのエピソードや選曲、ファッション、キャリアの選択などについて話してくれています!

上海クラシック音楽チャンネル947 独占インタビュー

↓決勝進出者の発表を待つ間舞台裏で行われたインタビュー

何故(ファイナルで)ブラームスを選んだのですか:「ブラームスは好きな作曲家。彼の作品は非常に情緒があり美しい。そして細部までよく構築されていて全てが完璧。全ての音が正しい位置に配置されている。彼の作品を演奏することによりとても多くを学びました。そしてもちろん彼の人間性と芸術性にもインスパイアされた。ブラームスの曲を演奏するだけでそこからあまりに沢山の事が学べるので、ブラームスが自分の先生の一人だと感じています。いずれにしても、一人の作曲家の大量のレパートリーに取り組むのを気に入っていて、そうすることでその作曲家と友達になれる気がする。そして彼のレパートリーの様々な色合いに取り組むことは音楽を演奏することそのもののクリアな全体像を与えてくれるのです」

いつピアニストになろうと思ったのですか(普通のピアニストとはキャリアが)違いますよね:「子供の頃”神童”と言われていたが、それはピアニストになろうとしたからではなく、その時に起こったこと。13〜14歳頃にイギリスのハーロー校に行った時に、もっと色々なことを探求したいと思い普通校に行き続け、この考え方は大学まで続いたのでハーバード大では経済学を専攻し、他にも歴史や語学など様々な分野を学びました。そして21歳の時、キャリアを作るためには、どの分野のキャリアを選ぶとしても自分の持てる最高のものをオファーするにはそこに100%いや200%専念しなければならないと決めました」

将来どんなピアニストになりたいですか:「人と繋がることが最も大切なことだと思っています。もし人々を感動させる事が出来て彼らが普段より少し良い日を過ごせたら、思い出になるような経験をしたら、楽しんでくれたなら、自分は自分の仕事をしたと思えて幸せです。ただ音楽についてもう少し具体的に言うなら、自分は知的な傾向があるが、その知的な側面が非常に難解な曲を人が直接感じることができるような理解しやすい形にする手助けになれば良いと思っています」

中国でコンサートをする際にはどんなプログラムを考えていますか:「このコンクールもバッハ/ブゾーニ シャコンヌでスタートしましたが、数年前にしたプログラムのブゾーニ トランスクリプションから来ていて、バッハ/ブゾーニ、ブラームス/ブゾーニ、ショパン/ブゾーニ、このコンセプトを非常に気に入ってます」 質問してる方も「それは興味深いです!」と興奮気味

いつもおしゃれでソックスもカラフルだと皆んなが言っていますが:「芸術家としての表現の一つです。女性はドレスなど色々なスタイルが可能だけれど男性はほとんど同じで退屈。だからちょっとだけ興味深くする為に。それと同時に自分を表現しているのです」

ってお話しでした

RTHK 香港電台 独占インタビュー

今回何故このコンクールに出場したのですか:「このコンクールは”勝てば将来が約束される”タイプのコンクールだと思っていますが、人生で初めて自分は準備が出来ていると感じたし、自分を世界に披露したいと思ったタイミングでした。良い結果が出て嬉しいです」

選曲はどのようにしたのですか:「非常に長い時間をかけて多くの人に相談しながら選びました。意図的であり考え抜いた選曲です。6ラウンドを通してまとまりが有りながら、自分の芸術性の様々な面をできる限り表現できるプログラムにしたいと考えました。そしてそれに成功したと思います。各ラウンドごとに違った自分の個性と芸術性を表現出来たと思います。ラウンドごとに性質が異なる音楽だったので、パフォーマンスの感動や内容もそれぞれ大きく違ったし、実際違う時代の違うキャラクターの曲をそれぞれ解釈して表現できた事が結果に貢献したと思っています」

香港出身ということがどのように音楽に影響していると思いますか: 「14歳までの香港での生活は自分の育成に多くの影響を与えているが、香港演芸学院で7年間エレノア先生と一緒に学んだことが最も重要な影響だと思います。彼女はおそらくこの年頃の子どもにとって世界で最も素晴らしい先生で、彼女の指導なくして今の自分はないと思うので、永遠に感謝しています」

サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)の記事から

SCMPに掲載されたインタビューの中から私が気になっていた部分についてお話ししてた部分をまとめます

今の生活のベースはどこですか:「近年はほぼニューヨークをベースにしている。そこから(ピアノの)先生がいるスウェーデンに行ったり、両親の住む香港を年に3〜4回訪れたりしています」

コンクール中のエピソードについて:「心身ともに疲れ果て何も考えられなくなり、2ndラウンドでベートーヴェンのハンマークラヴィーアを弾いた後、丸一日休息しました。コンクールではスタミナが鍛えられる」

「丸1ヶ月テキサスに滞在していたが、一番特別な瞬間は最後に母が現れた時。授賞式の朝に来てくれて本当に嬉しかった」

最も意味がある曲はどれですか:「(今回のレパートリーは)どれも好きだが、ベートーヴェンのハンマークラヴィーアソナタは非常に奥深く、宇宙全体、それ以上の世界を描いているように感じます。テクニックも構成もとても深い。だからこの曲を研究して習得することが他のラウンドで別の曲を演奏するのにも役立ちました」

アリスト・シャム クライバーン
SCMP

ファッションについて

又ファッションのお話しです!:「(ラウンドごとに違う色のソックスを履くことに特に儀式的な意味は無いが)男性はステージ上でたいてい黒いスーツばかり。ソックスはちょっとしたアクセントになるし輝きを添えてくれるから。メンデルスゾーンのピアノ協奏曲第1番は明るい曲なのでチェック柄を選んだ。シリアスな曲には無地を選んだ」

って記事でした。

演奏の他にファッションがあちこちで話題になってるアリスト。見ればソックスだけではなくてスーツもおしゃれこれってやっぱり14歳まで香港で過ごしたカルチャーの影響では?って勝手に思ってます。香港にはテーラーがたくさんあって(今でこそスーツを着る人が減ったり家賃や物価の高騰などで状況が変わっていますが)オフィスで働く皆さんも以前は「値段が手頃」とワイシャツなどオーダーメイドしている人が沢山いました。ましてや11歳からステージでオケと共演しているアリストは衣装など仕立てるのは当然かなと思うのです←想像です!メンデルスゾーンの時の青いスーツもステキだけど、ブラームスの時はボウタイと靴下の色も揃ってるしセットアップもおしゃれ。今後は「今日は何着るのかな」ってこちらも楽しみになっちゃいます!

ショパンコンクールから 動画

第17回予備予選

第18回1次予選

第18回2次予選

第17回(2015年)では19歳、第18回(2021年)ショパンコンクールに出場した時は25歳。今回のクライバーンコンクールでは29歳↓ここに第18回ショパンコンクールの演奏リンクと曲目リストも貼ってます 

全部聴いてみると、10代からの演奏の成長がすごい!音楽でキャリアを作っていくと決め、第18回の後はジュリアードで勉強。一番最近のクライバーンでは迷いが無くぶれない演奏がスゴいと思ったし、オケに対する振舞いも慣れてて堂々としたその姿に「やっぱり昔から大舞台で何度も演奏してきたんだな〜さすが神童」って思っちゃいました。アカデミックでインテリジェント&インテレクチュアル。いつも笑顔でフレンドリー。トークも楽しいからパフォーマンスはもちろん、将来は講師なんかもしてほしい!今後の活動が楽しみです

アジア最初のコンサートは香港で8月30、31日

公演情報サイト

コンクール後、「アジアツアーの最初は香港です!」と言ってたアリスト

アリスト・シャム 香港公演
art-mate.net

*アリストの香港公演情報のページはこちら→ 2025 Van Cliburn Gold Medalist: Aristo Sham

6月20日にチケット発売になりましたが。。取れなかった〜!涙涙涙 12時発売の10分前からPCの前でウェイティング。12時15分頃に自分の順番が来てページに入ったときにはもう席が無い!「支払い待ち」という意味で保留の席があったけど、結局その人が支払い終われば席はなくなり、、あっという間に売り切れました。ピアノリサイタルでこの速さは私史上初めて←どんな基準w 関係者&招待者の席が多いのだと想像してるけど‥これまで多くの方々のサポートがあったことでしょうから、しょうがないね

どうか良い演奏会になりますように。そして又来てね♡←まだ一度も来てない

おまけ

↓コンクールで演奏したレパートリーに関するクイズにこの3人が答えるんだけど。。

「このコンペで弾いた音符の総数は?自分の手の形の写真を見て曲名を当ててください、カメラに写った自分の表情から何を演奏中か分かりますか?15秒で(コンクールで弾いた曲を)何曲演奏できますか?最後に弾いた曲の37小節目を演奏してください」などなど、クライバーンの出題するムチャなクイズに真剣に答える皆んなが可愛い

 ↓もっと音楽!

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